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国産タオル発祥の地、泉佐野。最盛期には到底及ばないけれど、今でも、町中からガッチャンガッチャンと機織りの音が聞こえてくる。
“のこぎり屋根”とは文字通り「のこぎりの歯のような形をした屋根」のことで、工場などでよく見られる様式である。ただ、屋根がどうしてそのような形状になったのかがいまいちよくわからず調べてみると、「天面から自然光が安定して得られるというのが大きな理由」とのこと。特に天窓は北向きに取り付けられることが多く、その理由は「時間帯にあまり左右されず安定した光量が得られる」とある。照明器具があまり発達していなかった以前ならではの知恵ということか。現在では照明器具も発達しており、採光の問題で屋根にそのような形状を採るということはないようだ。
「ガチャ万景気」といわれた時代は過ぎ去り、繊維産業は急激に衰退しているという。それは町中の「のこぎり屋根の工場」が次々と消失している事実からも容易に見て取れる。
写真撮影中のこと。近くを通りかかったおじいさんが「時間止まっとるわ、ここは」とボソっと口にした。その言葉は良い意味なのか、それともそうでないのか、真意のほどはわからない。ただ、気に掛かる言葉ではあった。
古い町並みを「風情」と称して語ることや写真を撮ることは、もしかすると、ある種の責任を伴うのかもしれない。「無くなってしまうと寂しいだとか悲しいだとか、そういう言葉を安易に口にしてはいけないのじゃないか」。そう思ってしまう。
DATE:2007.6.8
LOCATION:大阪府泉佐野市 元町